ケース・事例紹介

2021.10.27更新

依頼者様:男性(30代)

《最初のご相談》
 依頼者様は、相手方女性から離婚と慰謝料の支払いを求めて提訴されました。

 依頼者様は、離婚には異存がないものの慰謝料を支払わなければならないようなことはしていない、としてご相談にいらっしゃいました。

 

《方針・結果》
 私は、依頼者様と相手方女性との婚姻関係破綻の原因は、一方のみにあるのではなく、双方の価値感や性格の不一致によるものであると感じました。

 そのため、訴訟においてもその旨を主張したところ、裁判所も私の主張を認めてくれて、結論として相手方女性(原告)の慰謝料の請求は棄却(ゼロ円)されました。

 

《本件のポイント》
 本件は、離婚した場合に慰謝料が必ず発生するものではない、ということの典型的なケースだろうと考えます。

 つまり離婚の際、当事者の一方が慰謝料支払義務を負うのは、不貞行為等によって他方当事者に対し精神的な損害を加えた場合であって、互いの性格の不一致が原因で離婚した場合などにはいずれの当事者にも慰謝料支払義務は生じません。このことを判示した典型的なケースだと思います。

 

投稿者: 池袋若葉法律事務所

2021.10.21更新

[最初のご相談]
  ご相談者様は、10年ほど前にご自宅を新築されました。しかし、新築後から柱の太さや駐車スペースなどが発注内容と違うとのご不満をお持ちでした。

 

[ご相談結果]
  ご相談いただいたところ、確かに、設計図面と比較して柱の太さが細かったり、駐車スペースが狭いといったことが窺われました。しかし、いずれも瑕疵担保責任を追及できる期間(改正前は「建物その他の土地の工作物」について「引渡しから5年 間」とされていました。)を過ぎてしまっていました。しかしながら、念のためとして、建築士の先生とともに現地調査に伺うことにしました。

 

[現地調査の結果]
  現地調査の結果、柱の太さなどが設計図と異なっていることが確認できましが、もっと重要な瑕疵が見つかりました。それは、耐火ボードが施工されていないことでした。ご相談者様のご自宅は準防火地域にあり、耐火ボードという火事になっても一定時間火が燃え広がらないようにする材料を用いることが義務づけられていました。しかし、それがそっくり抜かれていたのです。

 

[方針と解決]
  準耐火ボードが抜かれていたことは建築基準法違反でもあり、瑕疵にあたります。しかし、瑕疵担保責任を追及するには既に期間の制限を過ぎてしまっていました。そこで、請負業者の不法行為責任としてほぼ新築費用と同額の賠償請求をすることにしました。不法行為であれば消滅時効期間が「損害を知ったとき」から3年間(改正前民法)だったからです。

  その結果、裁判所でも請負業者と監理建築士の不法行為であることが認められ、賠償を得ることができました。

 

[本件のポイント]

  本件では、最初にご相談者様が訴えられていた柱の太さ等は確かに瑕疵に該当するのですが、残念ながら既に期間制限によっ

 て請求ができませんでした。この期間制限は大変重要です。特に改正後の民法では請負契約の目的物が「建物その他の土地の工

 作物」であっても「知ったときから1年間」となりました。ですので、新築建物の引渡しを受けて、「契約した図面とは違うと

 ころがある」という場合には早期に弁護士にご相談されることをお勧めします。

 

投稿者: 池袋若葉法律事務所